羊蹄山の湧き水と深層水が名品豆腐を生む!(真狩村)

今日は北海道虻田郡真狩村へ行ってきました。
真狩村の湧水はこの辺りでは有名で、羊蹄山に降った雨や雪が裾野に沁みだしてきている名水です。今日はその湧水でお豆腐を作っておられる湧水の里にお邪魔しました。湧水の里のすぐ前には湧水の汲み場があって水を汲む人たちが行き交い賑わっています。早速店内へ入るとここも買い物をするお客様で混み合っています。

ここでお話を聞かせてくださったのは秋山英二工場長。このお店のメイン商品である「すごい豆腐」と「うきふ」を実際に食しながらお話を伺いました。

この「すごい豆腐」、豆腐の周りが豆乳ですか、本当にすごいですね?
「これは豆腐が豆乳に浸かっているんです。豆腐の旨みが水で弱まらないようにしてるんですよ。美味しいでしょ。これがうちの一番の商品ですね。これ、大豆を細かく粉砕して、おからも出ない豆腐なんです。」

こちらの「うきふ」はちょっと塩味がして美味しいですよね?
「そうですね。この豆腐は豆乳とニガリを容器に充填して固めるんですね。つまり豆腐の素になる液体を容器に入れてそのまま中で固めるんですけれど、固まるギリギリの柔らかさで作ってます。これはそのまま食べていただくしかないですね。」

いや、本当に美味しいです。
今日の本題ですが、岩内の深層水を使っていただいてるんですね?
「そう、うちではすべての豆腐製品に深層水を使ってます。深層水は本当に大切って考えてて、去年までは熊石の深層水をここまで送ってもらってたんですが、容器の受け渡しとか色々大変だったので岩内まで汲みに行くことにしたんです。何か先代の親戚が熊石で働いていた都合でそうなったみたいですよ。岩内に変えた結果ですか?満足してますよ。汲みに行く回数?今は観光シーズンじゃないんで2か月に1回程度ですけど、これからシーズンに入ると多い時で月に3回くらい必要になりますね。1回の量は、18リットルを20個かな。買っているのは大部分が原水だけれど、うち3つは高ミネラル塩水を汲んでますね。深層水はニガリに混ぜるんですけど、柔らかい豆腐には高ミネラル水を混ぜて使ってるんですよ。10リットルに対して100ccの原水と100ccの高ミネラル塩水っていう感じですね。それで少し豆腐が寄りやすくなるんでね。」豆腐が寄りやすくなるというのは固まりやすくなるということだそう。

このお店は何年前からやっておられるんですか?
「もともとのオーナーが羊蹄山の湧水にほれ込んで豆腐を作り始めたのが20年ほど前になりますね。その後オーナーが変わりましたけれど、メインの商品の作り方は代々受け継がれて来てるんです。」

大豆は北海道産ですよね?
「そうです。今は昔から使ってる「夕鶴」っていう品種と、「とよむすめ」という2種類の大豆を使ってます。しかし、大豆の具合を見ながら変えていくことも考えてますね。豆腐に良い大豆っていうのは糖度が高いものなんですけれど、その分、固まりにくくなるんですね。ちょうど良い具合の大豆を見いだして最善の策を見極めるのがわたしたち職人の大事な役目ですね。」

ちょっと工場を見せていただけますか?と、工場に案内していただく。

夕方に向けて皆さん忙しそうに動いておられる。この時間は清掃と明日の大豆の仕込みなどのよう。職人さんが大豆の仕込みをされていて、寸胴に入った大豆を水に浸しながら湯気が出ているお湯を足し入れておられた。お湯を入れておられるんですか?
「季節によって温度を見ながらやってますね。今はまだ寒いのでお湯を少し足してます。」


このお店は何人体制でやっておられるんですか?時間は?
「今は16人ですが、お店に5人いて、はっきり言って足りてないですね。忙しくなると朝3時とかから仕込みを始めてぎりぎり間に合う感じですよ。夕方に店を閉めるまでに全て終わらせるよう今動いてるんです。

そうなんですね。本当にお忙しいところありがとうございました。
羊蹄山の麓で、これからも美味しい豆腐を作り続けてください。