いよいよ岩内で作られたホップでクラフトビールが醸造されるときがくるということで、追跡取材を実行。
まずは、いわない高原ホテルの荒井高志若旦那を訪ねる。以前からホテルの入り口に建っていた別館を改修して6月に「Iwanai Brewery & Hotel」をオープンした方である。
こんにちは。いよいよ岩内産のホップの収穫ですね。
「そうですね。8月19日に収穫するんで、ボランティアをお願いしてるところなんです。仕込みを見るなら20日15時頃にいらっしゃれば良いですよ。」
20日の再来を約束し、イワナイ・ブルワリーを後にする。
次にホップの栽培を委ねられたブルーベリーファーム・ラムの山本俊紀氏を訪れる。
こんにちは。ホップの具合はいかがですか?
「19日が収穫なんで、ちょうど良いんじゃないですか。」
イワナイビール飲まれました?
「ああ、飲みました。嫁に運転してもらって行きましたよ。美味かったですね。特にメロンの入ったビールが美味しかったんで、ひょっとしたら家のベリーでも美味しいビールができるんではって考えてます。」
それは面白いし、きっと美味しいと思いますね。
もうブルーベリーの収穫は終わられたんですか?
「ええ、これからはブラックベリーですね。ほら、こちらの木がブラックベリー。赤い実がなってるでしょう、これが熟すと黒くなって、それを摘んでジャムにしますね。」
その後、山本氏の畑に植わるスグリの種類やムクゲの木に咲く花、そしてヘチマの花に雌雄があることなど、いろいろとお話しを楽しんだ。
8月20日、イワナイブルワリー。ビールの醸造をしておられるところにお邪魔した。
収穫したホップを選別したあと、熟しすぎた奥の茶色いものは省き、岩内産ホップが8kgが手前に積まれている。一度の醸造で作られるビールは5~600リットルで、これが今回のIPAの原料となる。
麦芽を深層水の脱塩水で煮た釜に酵母を入れ、その液体を漉して隣のタンクに移す。移し終えるといよいよビールに程よい香りと苦みを与えてくれるホップの投入を行う。すべてのホップをここに入れ、20分ほど加熱したら漉して貯蔵に入る。
3週間ほど寝かせたら飲み頃のIPAとなる。
説明が遅くなったが、IPAというのは、インディアン・ペールエール Indian Pale Aleの略語で、18世紀にイギリスで生まれたペールエールというビールがあって、原料に使われた酵母のフルーティな香りと、キリッとした苦味のあるホップがマッチして評判が高かったが、18世紀末、イギリスからインドへの大航海時代に、高温多湿で揺さぶり続けられる長い航海に耐えることが出来、生水を安心して飲めないインドで暮らすイギリス人のために、ホップを多くするなど、多くの改良を加えて醸造されたものがIPA。。もともと荒井若旦那が一番お好きなビールと聞いている。
お店の冷蔵庫には5種類のクラフトビールが入っている。
IPAが“ホップマシマシ、”エブリデイ”がピルスナー、“モルティ”がペールエール、それから“クロポン”がスタウトで、これら4種のビールを主体として、加えて“シーズナルメロン”がオープニングに向けて作った季節のビール。
このシーズナル銘柄はメロンの次にはスイカになるんですね、その次は何になるんですか?
「その次の限定は、この岩内産ホップを使ったIPA。その名も“イワナイ生ホップヘイジー”です。ヘイジーとは液体が透き通っているのではなく、少し濁った感じで、苦味が抑えられよりフルーティー感が楽しめます。」と若旦那。
9月下旬か、ああ、楽しみだな~。
取材日 令和4年9月