北海道後志の国道229号を岩内から寿都に向けて走らせ、寿都湾にさしかかった頃から周辺に目を配っていると、海側に建つ木組みの大きな三階建ての小屋が目に入ってきます。車を停めて見学。そこにはたくさんの鮭が干されていました。そう、ここは、鮭寿という鮭のやぐら干しが看板商品のマルトシ吉野商店です。
そして道を挟んで山側にお店、吉野商店があります。
今日は吉野寿彦社長は不在でしたが、2人の息子さん、吉野英寿さんと卓寿さんとお会いすることができました。
こんにちは。岩内深層水を使っていただいてることを聞きまして、やって来ました。
お話を聞かせてください。お二人はご兄弟?
「そうです。我々の親父は今日は出かけてますけど、兄弟とも、家の商売をやってます。」
このお店が昔からの吉野商店ですよね?
「そうですね。もともと食品のお店だったんですけれど、25年ほど前になると思いますが、寿都で獲れた魚を加工して商品を作るようになって、そう、このお店の向かい側で鮭を干しているのを見ましたよね、あれが寒風やぐら干しの鮭寿という商品で、今うちでは一番売り出し中のやつですね。普通の新巻鮭は獲れた鮭を捌いて、塩をしてそれで完成でしょう、鮭寿はそこから手間をかけるんですよ。塩をした鮭をむしろに包んで熟成させ、そこからあのやぐらに吊るして、日本海から吹いてくる冬の寒風で干し上げて旨みを出してる。美味そうでしょう。」
ネットで見たんですが、結構有名で観光客も訪れてるカキ小屋としらす会館、あれも吉野商店さんがやっておられるんですよね?
「カキ小屋はこのお店の目の前で10年くらい前に始めたんです。それが3年前に、ここから南にちょっと行くとあるんですが、スッツ・オイスタービレッジというところをオープンして、その建物の中にカキ小屋とカフェと売店を作ったんですよ。カキ小屋は寿都の寿カキをメインにして、北海道の他の産地のカキも織り交ぜて年間40トンほど売ってるのかな。カキの食べ放題とかで有名になったけれど、しらすやウニとか、マグロなんかも美味しいですよ。
しらす会館は、そのカキ小屋が移転したとき、うちの目の前に引っ越ししてきたんですよ。
シラスの漁は4月の終わりから6月の頭までっていう2か月にも満たないときだけだから、年間を通じては魚介の出汁でラーメンを提供したり、寿都の海産物とか、マグロとか、いろいろ出してますね。今はどちらも閉めてて4月から再開するみたいだけれど。」
ところで、今日の本題ですけれど、深層水はどのように使っておられるんですか?
「そう、深層水ですね。うちは使い始めてまだ4、5年ですけれど、1つは先ほどから話に出てるカキとか、ホタテ、アワビとか、活貝用ですね。お店で提供するまで生かしておく水槽に使ってます。年間を通して使ってますけど、繁忙期には月に1回、2トンタンクに2つくらいで汲みに行ってるかな。えっ?いや、残念ながら、鮭のやぐら干しには使ってないですね。使うと良いですかね。」
今会社は何人ぐらいでやっておられるんですか?
「飲食は全く別のグループでやってるんですけど、そこを含めると全部で12,3人かな。僕たちは加工部門の職人をやってます。」
頑張ってください。
ところでこのストーブ可愛いですね。ありがとうございました。
取材日 令和4年3月3日