表層水との比較

表層水との比較

海洋深層水には、富栄養性、清浄性、低温性などの優れた特性があります。

富栄養性

  • 海水は地球上に存在するあらゆる元素を含んでおり、特に深層水は表層水に比べ植物生長に必要な硝酸塩、リン酸塩およびケイ酸塩などの無機栄養塩類を豊富に含んでいます。
  • 表層水中では植物が栄養素として窒素、リン、カリウムを摂取します。また、植物プランクトンの一部は体をおおう殻をつくるため表層水中のケイ素を摂取します。
  • 光の届かない深層では植物プランクトンなどは生活できないため、深層水中の栄養塩類は使われることなく、豊富に残されています。

清浄性

  • 水質を悪化させる粒状態および溶存態の可分解性の有機物や、にごりの原因となる懸濁物が少なく、海水を脱塩する際にも、簡単な前処理(ろ過)で済みます。
  • 疾病などを引き起こす病原菌、細菌類、また有害な寄生虫や付着生物があまりいません。
  • 環境ホルモン(内分泌撹乱化学物質)などの有害な人工物質にほとんど汚染されていません。
  • 深層水中にわずかに存在する細菌の多くは「海洋性細菌」と呼ばれ、病原体になるものではありません。
  • 魚の養殖を行う場合、清浄な深層水で飼育すると魚病などの心配がほとんどありません。

低温性

  • 周年を通して低水温のまま安定しています。日本海側の低温な深層水は「日本海固有水」と呼ばれています。

安定性

  • 海水として無機化が進んでおり、水質が物理・化学的および微生物学的に安定しています。水質の変動が小さく、周年ほぼ安定しています。